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朝の占いコーナーを見ていると女子アナが快活な声で「ラッキーアイテムは混ぜられていないカレーライス」と言い放ちました。聞いた瞬間、私は手にしていたスプーンを落としました。落ちた匙のそばには混ざられたカレーライスが、皿の上で口に運ばれるのを今か今かと待ち侘びています。

(このカレーを捨てて新しいのをいれようか)頭に浮かんだ案は、時代の波に飲み込まれました。食べ物を無駄にするなんて言語道断です。案は消えてもカレーは消えません。ひきわり納豆を混ぜてしまったせいで、冷蔵庫に入れることもできません。

時間が過ぎてカレーが冷め切った頃、私はついに決心しました。スプーンを手にし、カレーに沈めました。占いに中指を立てることにしたのです。

スプーンを掬い上げると、納豆の糸が儚げに伸びていました。一度スタートを切って、ゴールを確認したらあとは全力で走るだけです。私は黙々とカレーを口に運び、ものの5分で完食しました。

すでに不幸の魔の手が差し迫っていたとも知らずに、私は食器を洗いに行きました。